アコーディオン教室を始める前に
アコーディオン教室を開く時、恐る恐る師匠に「私にアコーディオンが教えられるでしょうか・・・」とうかがいました。
すると、師匠いわく、「うん。お前の技量なら大丈夫だよ。」
あまりにアッサリと言われたので拍子抜けしました(苦笑) 私としては、清水の舞台から飛び降りる覚悟で緊張してうかがったのですけどね(笑)
当時の私は芸歴20年でした。20年間、望月先生に近付きたい一心でやってきました。
望月先生は、数千曲のレパートリーをお持ちでした。色々な曲目の面白くて印象的な部分を上手に取り出して、アレンジを加えながらリズムにまで変化を加える という演奏を、力を抜いて何気なく見える雰囲気で演奏されていたのです。
しかも、弾く曲は様々なジャンルに渡り、微妙で絶妙な音の強弱、器楽的な響きと歌の様な響き、和風洋風が混ざり曲調が物凄く変化します。柔らかい音色で聴いている側がリラックスしていると、バン!とインパクトを加え、メチャクチャ技術的な演奏をする。そんな演奏をされていたのです。
だから、最初はタダひたすら曲をコピーしました。ジャンルを問わず、色んなタイプの曲が弾けるようになりたかったのです。シャンソンやクラシック・トロピカルなもの・演歌や懐メロに至るまで、様々なジャンルのCDを購入し聴きました。
20年経ち演奏を誉めていただけるようになってハタ!!と気が付きました。私が望月先生と同じ演奏をするのは無理なのです。だって、生まれた時期も性別も経験も違う別の人間なのですから。望月先生は、芸歴60年近い方なのです。たった20年位の私には及びも付かない経験と体験の持ち主なのですね。
私は、私にしか出せない何かがあるのかな? と考える様になりました。
ふと周りを見回してみると、生活空間からアコーディオンの音色が消えています。自由自在にアコーディオンを奏でる演奏家を、目の前で見る事が出来ないのです。
ほんの少しでも、アコーディオンの持っている無限の可能性をお伝え出来たらいいなと思うようになり、教室を始めました。
私は幸運でした。望月慎也という無類の名人と出会い感性の広げ方を教えていただきました。
ただ、あまりに凄すぎるから目標が高く成り過ぎて自分の技量を低く見積もりすぎていましたが(苦笑)
アコーディオンは、1台で世の中の8割以上の曲が弾けるのです。
その面白さと楽しさをお伝え出来ればと思っています。
東京杉並区の音楽教室 ヴォードヴィル・アコーディオン教室